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枯れた野で見た情景

2015年12月28日

約1ヶ月ぶりに千曲川の調査地に出掛けた。晴れ、気温5度。今年はまだ降雪がなく、昨年のいまごろよりも暖かい日が多い。河川敷を歩くと、ホオジロやカシラダカなどが飛び立った。オオジュリンは見つからない。大型の鳥のような、哺乳類のような声が聞こえた。声が移動するので小走りに近づくと、ホンドギツネの後ろ姿が見えた。謎の声はホンドギツネのものだった。先回りをしようと思い、別の道を背をかがめて急いで進むが、向こうのほうが早かった。残念。

オオタカ(成鳥)がカモ類をつかんで重そうに低空を飛び、アシ原のなかに消える。その先で、またホンドギツネを見つけた。位置的に先ほどの個体とは別だろう。数十メートルの距離で10秒ほど対峙する。長い尾が印象的。

水たまりに近づいて観察するも、ウシガエルはもう活動していない。水鳥の声を聞きながら、冬枯れの野に分け入る。ベニマシコが丸い声で鳴く。エナガとシジュウカラの混群がヤナギ類をつたって移動する。太陽が尾根の向こうに沈むと、ぐっと寒くなった。日当たりと鳥獣の生息数の関係をぼんやりと考えながら帰路につく。