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いた、食べた

2016年2月19日

初めてホシガラスに出会ったのは2001年の8月、この池の平湿原だった。図鑑で予習をしていたから、ガーガーという声を聞いたときに、すぐにホシガラスだとわかった。樹林を抜けると、おそらくは見られるであろう姿を想像してワクワクしたことを覚えている。

昨年の10月13日、ホシガラスと針葉樹を求めて池の平に出掛けた。斜面の裸地にゴヨウマツの種子を貯食する場面を観察したので、今後は冬に来ようと決めていたのだ。

年が明けてもまとまった雪が降らなかったので、どうしたものかと思っていたけれど、1月中旬にはちゃんと降ってくれた。ホシガラスがゴヨウマツの種子を貯食した場所は冬も積雪がなく、そしてそこにホシガラスが生息していることを確認する必要があった。標高1750m地点に車を止め、標高1960m地点までワープを使い、そこから歩いて池の平を目指した。スノーシューを持参したものの、帰路まで出番はなかった。

登山道の積雪は思ったよりも少なく、最大でも1mほど。気温はマイナス3度で晴れ。条件は文句なしだ。ヒガラとコガラの声が聞こえる。ノウサギの足跡がとても多い。ほかには、リスやキツネが少し。雷の丘でホシガラスの声を確認。

昨年の秋にホシガラスが貯食をしていた斜面の裸地には、やはり雪はなかった。これは、強風が吹きつけることと、日当たりが良いからだろう。そして、別の裸地ではホシガラスがゴヨウマツの種子を取り出して食べるところを観察できた。

今回は冬にホシガラスの生息地を訪ねたわけだけど、つぎは繁殖に関する記録も取りに来たい。この記録があることによって、彼らにとっての“貯食”の意味が見えてくる。ひいては、早い繁殖時期の謎に切り込める材料ともなるであろう。