Skip to content

あかるい渓

2017年8月19日

渓にかかる橋の上から下を見たとき、木々の葉に隠れて流れが見えない。けれども、沢音は聞こえる。渓の両岸は急峻な斜面で、一部に岩の崖がある。ぱっと見、入渓する道はないように思えたが、本流の左岸を下流から歩いて目的の場所に着いた。

ヌルデの花が咲き、ミンミンゼミの声が大きく聞こえる。山梨県東部のK川の支流のKを釣り上がる。出水の跡がまだ新しい。濁りはなく、水温は予想よりも高い。明るい渓相。地形図にはない小さな沢が多く入っている。低い滝を越えて進む。さっそく、7寸ほどのヤマメがかかる。竿をたたんで歩く箇所があるものの、悪場はない。

何かに食べられたサワガニの破片が散らばっている。イワタバコの花は盛りを過ぎたようだ。入渓点から400mほど進んだところでイワナが釣れた。渓を詰めていくが魚止の滝はなく、徐々に流れが細くなる。それでも小さな魚影が走る。魚のいなさそうな場所が続いたところで引き返した。往復2.4kmで7時間。

日常に流され、埋まる溝と穴。だから、やらないといけないのだ。