Skip to content

境を探る

2017年9月27日

山梨県東部で初めてアオマツムシの声を聞いたのは2010年だった。その後、分布域が拡大しつつある。隣県の長野県では、長野市や松本市はすでに多くの個体が生息している。しかし、諏訪湖周辺にはまだ侵入していない。仕事で長野県と山梨県の県境を行き来することが多いので、アオマツムシの分布を調べることにした。

山梨県の大月市を出発して長野県に向かうとき、中央自動車道、国道20号線、JRの3つのルートが一般的だ。これらを8月下旬から9月下旬にかけて利用し、長野県の諏訪市までアオマツムシの声の有無を記録した。

中央自動車道では、大月ICから須玉ICまではアオマツムシの声を確認できたが、長坂ICでは鳴き声が聞こえなかった。国道20号線では、大月市から白州町白須までは確認できたが、白州町鳥原から声は聞こえなくなった。つぎに、JRでは大月駅から日野春駅までは確認できたが、長坂駅では鳴き声が聞こえなかった。周辺の状況から、北杜市を越えて富士見町や原村、茅野市にかけて、それほど遠くはない未来に分布が広がるであろう。これらの地域で、夜の自然の音を録音するには、アオマツムシが侵入する前のいましかない。まぁ、ほとんどの人はそんなことに気づかずに人生を終えるのだから、どうでも良いかもしれないけれど。

ところで、諏訪湖周辺にアオマツムシが到達するのは、松本市方面から南下するのと、山梨県から北西に進んで来るのとではどちらが早いのだろう。あるいは、人為的な移動(ヒッチハイク等)でワープする可能性もあるか。木曽や伊那方面のアオマツムシの生息状況については、私はまったくデータを持っていない。