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せせこましくない尺度のスケールで

2015年6月2日

信越地方の山手に出掛ける。晴れ。湿潤な土地の乾いた風が心地良い。タニウツギの花を初めて見る。オオイタドリも生えていて、日本海側に来たことを実感。サンショウクイのさえずりがよく聞こえる。メスと考えられた個体がオスと同じような声で鳴いていた。林道を移動中、ニュウナイスズメを見つけた。こうした予期せぬ出会いが嬉しい。サンコウチョウの声も聞こえる。

多雪地特有の樹形を呈する木々を掴みながら斜面を登り、明るい混交林の林床を進む。一部にはまだ雪が残っている。オオイワカガミ、ヒメアオキ、ハイイヌガヤ、オオバクロモジなどが目につく。エンレイソウ属に実がついていた。林内や農耕地などのいたるところにマイマイガの幼虫がいて、知らない内にズボンや首筋についていることがあり戦慄する。

山の空気がほかと違って感じる場所がある。たぶんそれは、そこに生息している生き物の密度に由来しているのだろう。密度の高い場所は、その背後に深い森の連なりがあることが多い。いっぽう、そうではない場所、つまり密度の低いところはあっさりとしていて、歩いても疲れない。密度の高い場所は、山の奥深くにだけあるのではなく、人家が点在するような、いわゆる人里の匂いのするところにも広がっている。

 

タニウツギの花