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台地の高原

2018年4月29日

長野県の植物の文献を見ると、美ヶ原にハイマツが生育しているとあった。美ヶ原の台地は100万年前の火山の噴出でできたとされているので、ハイマツが分布していてもおかしくはない。もし、ハイマツがあったら樹齢構成から群落の状態がわかるだろうし、ここにホシガラスがいるのかも気になる。あるいは、もし蓼科山から散布しているとなると…。で、確認に行った。峠道を上がっているとエゾムシクイのさえずりが聞こえ、オオヤマザクラの花が咲いていた。

高原美術館ではイワツバメが飛び交い、ホオアカがさえずっている。まずは、王ヶ頭を目指して歩く。冬枯れの草原でノスリが食物を探して飛んでいた。ところどころでノビタキの姿も。溶岩の崖は見事な絶壁だった。ハヤブサはいなさそう。王ヶ頭を経由して、王ヶ鼻に向かう。低いアカマツが点在しているが、五葉のマツ属はない。この環境ではハイマツはなさそうだ。

帰路、王ヶ頭の南東で、ゴヨウマツのものと思われる束生した稚樹を2箇所で見つけた。件の文献はこれやアカマツを誤認したのか、調査後にハイマツが消滅したのか、それとも僕が見つけられなかっただけなのか。結局、5時間かけて探したものの、ハイマツはなかった。人工的な「緑」に疲れ、戻ってきたとき、行きには気づかなかった自然植生の林があった。