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顔つき

2020年8月27日

日本海に注ぐS川。その支流のSとOは、温泉が流入しており、白っぽく濁っていて魚はいなさそうだった。S川の源流に向かい、支流のKへ。ここは昨年の10月、アメマス系のイワナを見た渓だ。

葉の大きなブナ、オオバクロモジにオオイワカガミ、ヤマモミジ。日本海側の要素を確認しながら登山道を進む。マルバマンサクがあったので実を探すが、虫こぶしかない。ミズメの葉にオトシブミ類の揺籃。とてもクマっぽい山だ。多雪地の山は植物の種類が多い上に、それらが密に生育しているから、見ていて大変疲れる。

初めて釣りに入る大きな河川は、そこを管轄する漁協に電話をするようにしている。渓魚を放流している場所と禁漁区を確認するためだ。放流魚を釣りたくないのと、道のないところから入渓することが少なくないため禁漁区の看板を見落としている可能性があるため。漁協の情報では、残念なことに支流のKにもイワナを放流しているらしい。こんな山奥の支流まで入れているとは。S川は流域長と地形から、昔はかなり奥までアメマスが遡上していたと思われる。ダムができた現在も、その系統は支流の奥に残っているはず。

ネマガリダケのヤブを漕ぐ。昨年の悪夢を思い出したが、あの山ほど密生していないため、すいすい行ける。300mを22分。標高1440mで水温は12度。思ったよりも水量は多い。クマを警戒しながら釣り上がることに。きょうは日没までに車に戻らないと危ないので、1箇所につき打ち込みは5回までを基本とした。ポイントを丁寧に探ることはせず、釣れる個体だけを狙う。魚影は見えず、釣り人の痕跡がある。1尾目から、アメマス系の白い斑点のイワナが釣れた。昨年東北で見た模様と同じようだ。2尾目は放流由来と思われる個体。大きな滝がないと、放流魚もかなり遡上するだろう。小さな落ち込みで美しいアメマス系が上がる。8寸を頭に、進むにつれて型は良くなってきた。今回釣れた2パターンの模様のイワナは、顔つきが違うように感じた。入渓地点から800mで登山道に合流。急ぎ足で下山。