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富士山から30km

2021年9月19日

富士山のホシガラスの調査地から、一番近いホシガラスの生息地はどこだろうと前から思っていた。富士山のホシガラスは、ほかの地域の個体群との交流があるのだろうかと。標高と植生からホシガラスのいそうな環境を考えると、西側に目が行く。南アルプスの東側にある七面山。富士山からは約30kmの距離だ。

七面山は、比較的コースタイムの長い山だ。難しい場所はなさそうだし、登山道までのアプローチも簡単だ。日帰りで行きたいので午前7時から歩き出せるように家を出た。登山道の入口から山頂までの標高差は1500mほどと、かなりある。淡々と登りを消化して行く。最初はスギ林で、標高1150mあたりからミズナラやブナなどの落葉広葉樹が増えてくる。1600mぐらいは良い感じの混交林。遠くから見る富士山には、夏山の気配がまだ残っている。

標高1885mでウソの声を聞いた。もう亜高山帯だ。ゴヨウマツは見当たらないし、ホシガラスの声も聞こえない。シラビソやコメツガは細くて、亜高山帯の面積もあまり広くない。カケスがミズナラのドングリを貯食していた。山頂は展望がないものの、山頂手前の大ガレからは駿河湾が見えた。キベリタテハが飛ぶ。

帰宅して、バードリサーチの「ホシガラスを探せ!」を見ると、七面山の北にある櫛形山ではホシガラスが記録されていた。今度は、ここに行ってみよう。