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標高1960mのハイマツ

2021年11月6日

3年前の10月13日、「ホシガラスのいない山でハイマツが生えているところ」をYさんに教えてもらった。塩尻市と辰野町にまたがる坊主岳。雪が積もる前に、確認に行くことに。登り口から絵に描いたような急斜面の直登。そして、若干の笹薮。平均勾配は20度ほど。

カラマツの葉がぱらぱらと風で落ちてくる。カエデ類の紅葉が美事だけど、ダンコウバイやアオハダ、コマユミなどの紅葉に目がいく。アクシバの実をやっと見つけた。ムラサキシキブやツルリンドウ、オトコヨウゾメの実を見る。

淡々と登りを消化し、振り返ると御嶽山が見えた。

標高1882mにゴヨウマツが生えていた。その先から開け、森林限界になる。アカマツとゴヨウマツが点々とあり、アカマツは三葉のものも。山頂に近づくと、ササに埋もれるように、ハイマツの小さなパッチが出現した。来年の夏に熟す球果はついていない。実生はないが、稚樹は1本あった。球果がないと、世代交代ができない。球果ができても、ササ類が繁茂すると実生が育つのは難しいだろう。そもそも、種子散布者が不在。そうなると、いずれこのパッチは消滅することになる。それにしても、本州中部で標高1960m地点にハイマツが分布しているのは興味深い。この周辺の山々も、時間があるときに歩いてみよう。