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登山道のない低山

2015年1月2日

山始め、実家の向かいの山(タキガタニ:山の名前がないので、谷の名称で呼ぶらしい)に登った。裏山は登山道が少しあるからたまに行く。けれども、小さいころから目にしている、実家の向かいの山には登ったことがない。そこに何があるのか、どんなところか、何がいるか見てみたい。というわけで、正月に登ることを昨年の秋に決めた。元日に行きたかったのだけど、雪が降っていたので断念。それできょう、登ることになった。

長靴で川を渡り、河川敷で登山靴に履き替える。カワガラスがさえずっている。最初はスギとヒノキの植林地。林床にはウラジロが生えている。積雪は5cmくらい。すぐに斜度が50度以上はありそうな急な斜面になった。フユイチゴの実とトウゲシバが目につく。登山道や作業道はないので、山頂の方向に向かってとにかく進む。ソウシチョウの地鳴きが聞こえる。所々、コンパスで方向を確認。イズセンリョウの実がなっていた。

植林地を抜けると照葉樹に落葉広葉樹が少し混じり始めた。ヤマガラ、ヒガラ、メジロ、ヒヨドリがいる程度で静かなものだ。雪の上にはテンと野ネズミとシカの足跡。雪で滑る斜面に手こずりながら、1時間30分ほどで山頂に着いた。標高は約600m。ツガ、ウバメガシ、シャクナゲ類、ヒメシャラ、アセビ、ヒイラギなどが生えている。展望は悪く、集落はまったく見えない。高度を稼いでいるとき、裏山(ミヤノタニ)の稜線が見えた。今度は向こうを歩いてみよう。年内に遂行できるだろうか。

思い起こせば、子どものころは登山道のない山でよく遊んでいたのだった。これに気づけただけでも、良かったのかもしれない。

 

トウゲシバ