Skip to content

粛々と流れる時間

2015年2月6日

3年前に始めた、富士山北麓山地帯の鳥類調査も今回で最後。快晴、気温マイナス7度。新雪の下に隠れている、約1週間前に自分がつけた足跡を辿る。最後の調査だけど、淡々とこなす。10回の内の1回目のように、10回の内の5回目と同じ気持ちで。

雪の上にはテンとノウサギと野ネズミの足跡があった。雪のお陰で、彼らの行動が“見える”。雪を踏む音、木から雪が落ちる音、ザックと服がこすれる音しか聞こえない。時折、カラ類の地鳴きが聞こえると足を止める。枝からこぼれた細かな雪がサラサラと降ってくる。

持ち歩いているいくつかのテーマを検討し、認識を深める。自分の考えをまとめる行為のひとつ。調査用紙の余白に、つらつらと所感の走り書き。いつも見て行く樹洞をきょうも眺めるが、誰も顔を出していない。

コガラがヤマハンノキの実を食べていた。この時期にここに出現するヒヨドリは何者なんだろう。

 

マヒワ