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一般化のしにくい大事な事柄

2015年3月18〜20日

神奈川県で積極的鳥見。ここでの成果そのものは、本質的には自分の糧にはならないことはわかっている。ぼんやりとした、薄味の時間を過ごす。あっさりとした記憶は、まるで他人事のような感覚。

ウグイスのさえずりを聞き、今シーズン初めてイワツバメとツバメを見た。ツマキチョウとテングチョウが飛び、ルリタテハやクロヤマアリも活動をしている。モズとハシブトガラスが巣材を運んでいた。

ハシブトガラスの巣材運びは、朝から夕方まで数回おこなわれた。巣があると思われる場所に木の枝を運ぶとき、2羽で飛翔するものの枝をくわえているのはメスと考えられた1羽だけだった。この枝はケヤキの上部から取っていた。ケヤキの上部から枝を取るときは、2羽とも枝をくわえている。また、取った枝を番相手と思われる個体に渡したり、枝をケヤキの上部に一時的に置いたりする場面も見られた。

こうした行動は、ある地域のある個体のものである。おそらく、それぞれに意味のある行動だ。そして、一般化のしにくい大事な事柄のように思える。一般とは何か、それはほんとうに代表的なものなのか。絶対的なものは計り知れない。地域性、その個体の性格、経験、年次的な傾向、環境条件などが影響する。例外はなく、全体としてそういうものだとしか言えない事柄を把握する。ある鳥の生活史を知るということは、こういうことなのだと思う。その鳥の持つ世界観をつかむ。つまり、とことん個体史にこだわり、平均値では語れない尺度の事象に目を向ける。

ハシブトガラスの雨浴び、ヒヨドリがヒイラギナンテンのつぼみとウツギの芽を食べるところを観察した。ケヤキ上の巣ではハシボソガラスが抱卵中のようだ。モズのオスが、シジュウカラ、ヤマガラ、オオヨシキリのさえずりを真似る。マグワにクワコのまゆがあった。

 

ウツギの芽を食べるヒヨドリ