2012年7月3日
NPO法人自然環境アカデミーで、サギ類の仮剥製と部分標本を作った(←仕事です)。素材は、傷病鳥や死体として福生市やその周辺で回収されたコサギ2体とゴイサギ2体。
ゴイサギの首は、野外で見ているときは短く見える。けれど、本当は長い。しかも、コサギとゴイサギは、全長、翼開長、自然翼長、尾長の測定値はあまり変わらない(計ったのはそれぞれ2例ずつだけど)。
サギ類の前に向いている足指の真ん中の爪は、櫛状になっている(くし爪という)。これはヨタカにもあるし、(見たことはないけれど)カツオドリやツバメチドリにもあるという。野外観察ではほとんど確認できないが、こんな爪を持っている鳥がいることを知るのは楽しい。くし爪、ステキなツールです。
日本で記録のある鳥類のすべての科の仮剥製を作ることがこの先の目標になった、きょう。これまでに作ったものは、非スズメ目:カモ科、タカ科、キジ科、カッコウ科、カワセミ科、キツツキ科など、スズメ目:ツバメ科、セキレイ科、ツグミ科、ウグイス科、シジュウカラ科、メジロ科、ホオジロ科、アトリ科、ハタオリドリ科、ムクドリ科など。
標本作りに没頭する時間。ほかのことは考えず、目の前の作業をただこなす。何もしゃべらず1人で。
あの鳥のここはどうなっている? そう言えば、あの骨はどうしたっけ? 連鎖的に疑問が広がる。朝から始めて気がつくと昼で、そしてもう夕方。この標本が教育や研究に活かされることを願って。
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ゴイサギ(左)とコサギのくし爪