2016年9月16日
林道や橋の上から、瀬尻に浮いているイワナが複数尾見える。みんな8寸以上だ。今回は支流には脇目も振らず、本流を遡行することに。南信のM川。3mの竿を目一杯振れる川幅がありがたい。悪所はなく、泳ぎも高巻きもない。
道を歩きながら、良さげなところから入渓。水辺には新しい足跡があり、先行者がいることはすぐにわかった。何はともあれ、初めての渓なので釣り上がってみよう。フジアザミの花が咲いている。
カツラの木から甘い香りが漂う。サクラ類やカエデ類は紅葉しているものがあった。淵尻や瀬尻ではしばしば魚影が走る。今年釣り歩いた、どの渓よりも魚影が濃い。見えるのは7寸以上のイワナだ。優に尺を越えるイワナが、流れのある川底に定位していた。その近くには、やや小さめのイワナが数尾いる。もう、掘りに入っているのだろうか。こんなイワナは、毛鉤を何度流しても反応しない。今回釣れたのは、どれも早瀬だった。
岩陰に毛鉤を打ち込むとすぐに反応があり、尺上のイワナが糸を鳴らす。その後、9寸越えが1尾と8寸クラスが3尾。じつは、この渓にはヤマトイワナが生息しているという噂がある。昨年10月に産卵行動を観察したときは、ヤマトイワナ的な個体がいた。両亜種が混生しているのは、人為的な作用があったことが安易に想像できるのだけど、ヤマトイワナ的な個体の模様を見たかった。が、釣れたのはすべてニッコウイワナだと思われた。来年はテントを持って、源流を目指そう。