2017年4月2日
興味を持って植物の種名を調べたり、花や実を観察するようになって16年ほどになるが、この間、僕にとって早春の木の花といえばアブラチャンとダンコウバイだった。長く住んだ山梨県東部では、3月の中旬から下旬には両種の花を見ることができる。
図鑑や植栽から、マンサク類が早春に花を咲かせることはずいぶん前から知っていた。野生のマンサク類を見てみたいとずっと思っていて、やっと見つけたのが昨年の5月。花はもう終わっていた時期だったけど、葉を見たときにこれだ! と思った。で、そのときから開花を心待ちにしていた。
川沿いのヤナギ類の花芽が嬉しそうに膨らんでいる。昨年の5月に見つけたマンサク類がいつ咲くかわからなかったので、花期を逃してはいけないと、今年の2月26日に様子を見に行った。長野県松本市、標高約1300m。このときはまだ、花芽に小さな隙間ができている程度。でも、急に展開するかもしれない。3月11日に行くと、前回とほとんど変わらない状況だった。3月25日には、花芽が少し開いて、黄色の花弁が見えた。今度こそはと、4月2日にやっと花を見ることができた。花の香りはない。このときでも、周辺は50cm以上の積雪があった。ヤブに緑があるなと思い近寄ると、ノイバラ類やスイカズラなどの常緑性のやつで、芽吹いている低木はない。
ミソサザイのさえずりが聞こえる。渓を見下ろせる場所では流れを目で追う。暖かくなったら竿を振りに来よう。早春の黄色の花に、マンサク類が追加された。