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路傍の空

2018年2月22日

八ヶ岳西南麓の富士見高原の朝、気温はマイナス6度。空が白み、ねぐらから飛び立ったムクドリの群れが帯びのように通過する。斜面の笹薮からカシラダカが出てきた。ここがねぐらだったようだ。朝霧をまとった疎林からキツツキの乾いたドラミングが響く。生活音のする人家に止まって鳴くスズメ。ホオジロ、カワラヒワ、キジバトのさえずりが聞こえた。ハシボソガラスがトビに対してテリトリアルな行動を取る。もうすぐ、巣作りが始まるだろう。ヒバリまださえずっていない。

もわもわとした黒い石ができて、頭についた。雨が降りそうな冬の空、月に隠れる心。文字を辿り、身につけ、動かしがたい何者かを棲まわせる。ときにすがり、夏を欲しがる。