2018年8月13日
地形図に水域の表示のない渓が、右岸側にある。もちろん、名前も記されていない。しかし、水は流れている。7月からこの前を通るたびに、いつか入ろうと思っていた無名の渓だ。
標高1040mで、水温は16.9度。上流に向かうと、小さな魚影が走った。さらに上を目指す。堰堤を3つ越えた。巻き道が土砂崩れで通れないため、高度を上げて回避する。渓にはまだ水がある。これが最後と思われる4つ目の堰堤の上から竿を出した。3投目で毛鉤を追う魚影を確認。もう一度同じように流すと、追いかけてきて飛びつくがかからない。その後は何度投げても反応なし。見破られたか。手元に寄せた毛鉤を、アキアカネと思われるトンボがくわえる。
少し上で良さげなポイントがあり、沈めて探ると黒っぽい8寸強のイワナが釣れた。カーブを過ぎた辺りで雷が鳴り始めたので引き返す。
自身の文字列によって行動に移し、思考を止める。矛盾と不純を取り込み、嫌なものは入り込ませない。そうして構築した世界を問う。