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合わせは小さく、ゆっくりと

2018年8月14日

奥山なのに、手垢にまみれた場所。そんな先入観から、その地域への関心は薄い。あまり気乗りしない。イワナの色を見る。ただ、それだけのために竿を振る。ほかのことは考えず。もう、探求には来ないであろう場所。バスでご一緒した愉快な沢屋さんから、有益は情報を入手。コマドリが、テンカラカラ〜と鳴いている。

ニホンジカの痕跡はあるが、姿を見たり声を聞いたりはしない。ドロノキを初めて見る。16kgの重さのザックは久しぶり。フジアザミが多い。

林道終点からは渓沿いを歩く。ポイントごとに魚影が見える。CRの功績。こんなに濃いと、もう釣った気になれる。テントを張って、昼食を取る。12時前から夕立。テントに入り本を読み、水筒を枕に昼寝をする。1時間ちょっとで雨は上がり、日が射した。イワナに挨拶に行くか。

まずは腕試しのため、場荒れしていそうなところに入る。最初は少し見て歩く。なるほど、魚影はない。竿を出し、平らな地形を叩いて上がる。水温は13.9度(夕立参考)。ほどなくして、あたりがあったが合わない。食い気のある魚はいるようだ。夕立が活性を高めたか。その後は瀬が続き、魚はついていそうにない。水深3mほどの小さな淵があった。6.5mのラインを目一杯飛ばす。水中を動く魚影が見え、毛鉤を食べた。と同時に、さらに大きな魚影が見えたので、上流には走らせない。7寸のイワナだった。初めての渓のイワナなので、よく観察する。つぎに同じ場所で底から誘い出したのは、9寸のイワナだった。まだ9寸サイズが3尾は河床に定位しているが、浮いて来なかった。上流に進み、つぎの良場でも8寸前後がかかり、普通に魚影の濃い渓という印象。ここで釣れないほうがおかしい。だから、釣りの勉強にはならない。また、雨がぱらつきだした。あまり渓を知ることはなく、退渓。ウワバミソウがなかったのでフキを採り、みそ汁の材料とした。

どこまでも付きまとう、やっかいで不穏な想いに、手近にあったもので紛らわす。それで良いと。