2018年8月17日
刺さるような秋の日差しになった。夏を終えた風が吹く。昨日の雨で、思ったよりも渓は増水している。鳥のさえずりもほとんど聞かれなくなった。この本流は、何回歩いてもヤマセミやクマタカを見ることはない。
右岸側。前回は出合いからすぐに巻いてしまったので、きょうは正面から入る。嬉しいことに、いきなり魚影が走る。そして、ゴルジュと滝が続く素晴らしい渓相だ。所持品を防水のケースに入れ、竿を出す。水温14度(降雨参考)。
滝壺から釣れた1尾目は、なんと尺2寸のイワナだった。尺上はかかったときの重さでわかるもの。小さな滝を越えて進むと、落差20m以上はありそうな滝がでてきた。高度を100m上げて巻く。地形図にはこの上にも滝の印がある。この滝を巻くために横移動をするが、ここで時間をロスした。そうこうしていると、古い杣道に合流。杣道を進むと、すぐに土砂崩れの跡があり、引き返すことに。日没が迫ってきたので退渓を決めたが、登りのときとは別のルートで下ると崖が続く。ザックから25mのロープを出して、懸垂下降で降りた。あとは尾根を駆け下りるだけ。古いチョウセンゴヨウの球果をばらしたのは、ニホンリスだろうか。
長く検討したものなら、その不安も悩みも楽しみも、引き連れて行け。道半ばこそ面白く、心躍る時間。思考の底に沈んだ想いの、その先へ。