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白斑の形と配置

2019年8月13日

長野県や山梨県の源流にいるイワナを見ているとき、アメマスが遡上する川のイワナがどんな模様なのか知りたくなった。昨年の晩夏から、2019年のテーマは東北の渓に入ることに決めていた。

秋田県の南部へ。なるべく、アメマスの遡上する(していた)可能性のある渓に行きたい。漁協には事前に、禁漁区の場所と今年の状況を問い合わせた。Oは渇水のため、Kのほうが良いとのこと。地図であたりをつけ、地形図と航空写真で入渓する地点を探す。今回は1日で、できるだけ多くの場所に入りたいので移動経路も最短のものを選ぶ。

海が近い、いまだに海との連絡(行き来)がある、低地のいわゆる里川でもイワナが釣れる、魚影が濃い。子どものころに釣り雑誌で見た東北の情報は、その後ほとんど更新されていない。水田地帯を車で走っていると、鳥海山が見えてきた。まずは、この山の北東の渓に向かう。

1箇所にかけられる時間は少ないのでテンポ良く遡行する必要がある。オオイタドリのヤブをかき分け水辺へ。標高は540m。ブナの葉が大きい。岸辺にはドロノキが生えていて、マンサク属もある楽しい植生。ナナカマドとカエデ類、ミズナラとアオダモ類が目立つ。低木の樹形が積雪の多さを物語る。ジュウイチの巣立ちビナがいた。コエゾゼミと思われるものとチッチゼミが鳴いている。クマに警戒しつつ、本流を釣り上がることに。ニホンジカの摂食を受けていない森林。

ヌルデとハリギリの花が咲き、キジバトがDFをしている。心配していたアブは、流れに立つころにはいなくなった。水温は15.8度。渓相は良い感じなのに、あたりはない。左岸側から合流する支流があった。ここの水温は12.3度。支流で今回の1尾目が上がる。全身に白斑のある個体。本州中部では見かけない模様のイワナだ。2尾目も同様。4尾目の個体は、体の中央に薄い橙色の斑が走っていた。

源流部の細い流れではイワナがよく釣れる。でも今回は、もっと下流の支流に入るべきだ。Kの左岸側の支流Aの枝沢に移動。標高130m。気温は30度ほど。水温は21度もあった。水がやや濁っていて、しばらく竿を振るがダメ。トンネルの天井にウサギコウモリがいた。この流れの約8km上流に行く。標高355m、水温20度。この水温では厳しいだろう。Kの右岸側の支流、Iの源流に移動する。標高は167m、水温は20度を切らない。反応がないので早々に引き返す。

最後は、Oの源流のYへ。斜面を降りて水際へ。ヤマモミジが嬉しい。標高226mで水温は21度。良場で魚影が見えた。1尾目は、今朝のような白斑の個体。その後もパラパラと同様の模様のイワナが釣れる。ヤマメもかかった。きょうは、1箇所目以外は汗をかきながらの釣りだった。本州中部では、こういうことはまずない。2つの水系の支流や源流を回るが、時間は足りない。帰ったら漁協に、渓魚の放流履歴を確認しよう。