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岩地の赤い花に

2021年5月2日

三重県南部。天気雨で風が強い。気温11度。昨夜の降雨で、水深は10センチほど深くなっている。が、濁りはない。C谷に入る。林道から見える渓相はとても良い。標高535mから入渓。淵が続くため、重めの毛鉤を使用する。川幅はけっこう広いので、5.5mのラインにした。

ヤマグルマ、ガクウツギ、チドリノキ、アセビ、マルバアオダモの花が咲いている。ミツバツツジとシキミはほぼ終わり。シャクナゲ類の花を見たが、ホンシャクナゲだろうか。イワナンテンとヤハズアジサイなど、普段はあまり目にしない植物が生えていた。オオルリとセンダイムシクイのさえずりが聞こえる。

気温が低く増水しているため、淵に沈んでいる個体を誘い出さないといけない。時間がかかり、距離は稼げない。とりあえず、1尾目は慎重に取り込む。その後もぽつぽつと釣れるが、8寸を越えるアマゴはいない。林道には新しい人間の足跡があったし、釣り人が定期的に入っているのだろう。魚影はあるし淵も多いから、条件が良ければ大物に出会えそうだ。この流域は谷が急峻で全体が岩山のような場所なので、支流は魚のつく流れではなかった。

植生の発達した高低差30mの崖を登って巻く。ヤマドリが飛び立つ。久しぶりに心地の良い秘境を遡行できた。帰路、赤色の丸い花が咲いていた。すぐにドウダンツツジ属だと思ったが、初めて見る色の花だった。調べるとカイナンサラサドウダンだった。3年前の5月、Y谷で見たのはこの花だった。