2015年9月15日
昨年の8月、三重県大台町で飛翔中のイワツバメを撮影し、換羽状況を記録した(詳しくは「8月下旬のイワツバメの換羽状況」を参照)。きょうは、長野県松本市でイワツバメの群れを見つけたので、昨年同様、撮影した画像からいまの時期の換羽状況を調べた。
今回、最も換羽の進んでいる個体は、初列風切を6枚目(P6)まで換羽していた。次列風切を換羽中の個体もいる。初列風切を5枚目(P5)まで換羽している個体は、中央尾羽を1対換羽しているものがいた。そして、初列風切を換羽していない個体もいる(これは幼鳥かな)。昨年8月の三重県の観察と比較すると、長野県のイワツバメの換羽は遅いということになる。しかし、どちらの群れも繁殖地は不明。緯度によって換羽の期間や時期が異なる種がいるため、イワツバメにおいても繁殖地や繁殖の成否と換羽の開始時期を検討する必要がある。換羽をしながら渡っているのだろうか。
ところで、イワツバメの群れは2日続けて同じ場所で見られた。群れが同一だという根拠はないのだけど、渡りの時期の彼らはどこで寝ているのだろう。近くで繁殖した群れなのか、いろんな場所に滞在しつつ渡っているのか。イワツバメについて知りたいことは、まだまだたくさんある。
補足的再掲:【山梨県東部の繁殖地での観察では、成鳥は7〜8月上旬に初列風切を3枚目(P3)まで換羽する個体がいる。11月中旬に三重県の南部で見た数羽のイワツバメは、翼を換羽していないようだった。もう換羽が終わったのか、これから越冬地でするのか。毎年、12月下旬に三重県の越冬地でイワツバメを見ているが、翼を換羽中の個体はいない。】
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