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実地から知り得る

2012年7月12日

傘を持って大学に行く。けれど、きょうは出番はなさそう。ニイニイゼミが鳴いていた。都留市の今年の初鳴きはいつ? 少なくとも7月6日は鳴いていなかった。ちなみに、昨年は7月5日が初鳴き。

夕方、都留市OにあるMさんの畑に連れて行ってもらう。夏の講座の下見というか準備で。そこで、採れたてのズッキーニとジャガイモをもらった。たくさん。こういうシチュエーションだと、料理をしてみようかなという気分になる。自分が関係する畑(土)で採れる野菜をおいしく感じたり、食べてみたいと思うのは、食に対する人間の根幹に関わる部分だろう。心地良いのだけど、そこにどっぷりとつかる勇気はまだない。

ここにハクビシンがいるとか、キジが来るとか、現場で教えてもらった。その場で知(識)り得るから、こうした地域の生きた情報が輝いて見える。こんなスタンスで生きものを理解するのは、自然史(誌)を記載する博物学の香り。畑は一種の展示場でもある。ジャガイモは茎で、サツマイモは根で増えることは小学校の高学年で習う。では、キャベツの花は何色? 野菜の花は教材としては面白い。ほかには、家禽や家畜。たとえば、ニワトリ。ニワトリはセキショクヤケイを家禽化したものだと言われている。家禽と野生種の形態、行動などを比較すると何が見えてくるだろう。イノシシの歯は全部で44本だけど、ブタの歯は何本か。変わる部分と、変わらない部分。

畑には500円玉ほどの大きさのスイカの実ができていた。この先、収穫するまで、どのように実が生長していくのか、それを追っていくだけでも十分楽しいはず。そもそも、スイカの受粉を手助けした昆虫は誰だろう。身近な関心、疑問が広がり、いろんな世界と結びつく。その過程に豊かな学びがある。

 

収穫したズッキーニ(の一部)