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渓釣り

2016年7月16〜17日

東北に山釣りに出掛けた。13年前に訪れた思い出の場所を通過し、M川を遡行する。車止めの地点からブナが生えていて、すでに携帯電話の電波は入らない。オオイタドリのヤブを抜け、流れに沿ってキセキレイの幼鳥が道案内をする。

堰堤を越え、ゴルジュを巻いて進む。釣れたのはイワナだけで、ヤマメはいなかった。そのイワナの胃内容物を見ると、ハリガネムシが2体、ハチ類とアリ類の成虫、カワゲラ類の幼虫、コメツガの枯葉などが入っていた。夕方、渓の上をハイタカが飛んだ。

源流釣りを経験すると、いわゆる里川での釣りがとても味気なく、物足りないものに感じられる。釣果よりもそこで過ごした時間の密度が重要なのだろう。生き物の生態であったり、人の暮らしであったり、その地域の地史であったりと、自分を取り巻く多くのものへ目を向けること。知っていても知らなくても、たぶん辿り着いた場所。結果は同じでも、そんなに単純な行程ではないことはわかっている。この旅の先を見据えて、さらに源流へ遡行を重ねよう。

iwanayaki201607