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緑の木目

2016年12月18日

今年最後になる、富士山北麓亜高山帯上部での調査。晴れ。積雪量は多くはないけど気温が低く、風はやや強い。登山靴で歩けるものの、凍結している部分が多いので慎重に進む。コガラ、ヤマガラ、キバシリなどを見る。

ホシガラスは林内で採食している個体を見かけたぐらい。声も聞かなかった。ホシガラスはたぶん、こんな生活をしている鳥だ。多くの人が目にする、貯食期の目立つ行動は生活史のごく一部にしかすぎない。でも、その姿はホシガラスの本質をあらわしているのだけど。冬期は富士山5合目に通じるすべての道路が封鎖されているので、人がいなくて本当に静かだ。自分の半径5km以内に誰もいない。

通い慣れた道を通って帰る時間。淡々と消化する道のり。きょうの記録を振り返り、あの行動の意味を問う。突然、茂みから飛び出して来て近くに止まったミソサザイと目が合う。ウソの声が聞こえる。木々の緑は夏も冬もあまり変わらず、そこを歩く人の足元だけが季節の色を回していく。

rinsyou2016