2017年10月28日
雪が降り、凍結したため林道が閉鎖され、調査地の高山帯までは来夏にならないと車で行けなくなった。標高差800m、距離約6kmを歩くことに。3時間ぐらいなのでたいした行程ではないけど、昼からの雨予報がやや心配。一応、アイゼンを持参する。この時期の乗鞍岳の高山帯を見ておきたい。
標高1985mのところでホシガラスがいた。シラビソの枝先をつついているが、何を食べているのかは不明。この辺りでは、1880m地点でホシガラスを見たことがある。おそらく、1800mぐらいが分布の下限だろう。登山道の一部が沢と並行する場所がある。目で流れを追うが、魚止の滝よりも上なので関心は薄い。昼からは雨が降り出した。気温が高いため、高山帯でも雪にならない。
ホシガラスの貯食行動はまだ続いており、こんな時期も亜高山帯から高山帯に出掛けてハイマツの種子を探していた。球果はもう枝にはついていないので、地上に隠した球果や種子を回収しているようだ。ハイマツの群落は標高2400mから見られるが、球果をつけているのは2500mより上。2216m地点に1本、ハイマツが生えていた。これよりも下では見つからないので、ここが分布の下限といえそうだ。この標高が生育の制限なのか、それとも別の要因があるのか。発芽可能と定着可能はそれぞれ異なる現象であるため、実験的に検証する必要がある。
今回は高山帯で、ホシガラスとウソ以外の鳥は確認できず。亜高山帯でツルリンドウ、アカミノイヌツゲ、オオカメノキなどの実を見る。