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心情をまとう

2018年7月15日

6月30日に続き、左岸側の渓を攻める。合流点から5本目。4本目の渓相は悪くないのだけど、今後時間があったら入ってみようという感じ。さっそく、大きな堰堤があり、それを左岸から巻く。一度河川敷に降りるものの、曲がり角の先に滝が見えたので、そのまま左岸から巻くために斜面を登ることに。これが大きな過ちだった。地形図で見る限り、右岸よりも左岸のほうが傾斜は緩い。ならばと進むが、けっして優しい勾配ではなかった。植生もまばらで、もろい岩場があり、何よりも土砂崩れの痕が多く、それを迂回するためにまた高度をかせぐ必要がある。これを繰り返すが、行けども行けども渓には降りられない。1時間ほど歩いたが、引き返す。

チッチゼミが鳴き、イラモミの古い球果が落ちている。湿った林床にキツネノエフデがあった。50分後、堰堤まで戻ってきた。どんな滝か見ておこうと、滝の下まで行くと、右岸から簡単に巻けるものだった。あのときにしっかり見えておけば良かったのに。滝の上に行くが、水の流れが速くて魚のつきそうな場所は少ない。水温は13度で良い感じなのに。結局、竿を出さずに撤収。この支流を釣るには、源流部まで山中を歩いたほうがいい。

このまま帰るのは癪なので、本流で少し竿を振る。本流の水温は18度もあった。放流と思しき8寸ほどのイワナが釣れたので終了。川面に、イソシギの声が清らかに響く。次回はいよいよ、左岸側の最後の渓。ここからは歩く距離が長くなる。本流の水量も多く、源流までこの状態だと良型に期待できそう。

テンカラに必要なのは、虫っぽさではなく、毛鉤らしさ。この矛盾こそが、偽物を本物として踊らせることに寄与するはず。