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樹上のナナカマド

2019年7月23日

富士山の南側の山地帯。このあたりをしっかり歩くのは初めて。ミヤマイボタとツルシロカネソウが咲いている。トウヒとイラモミの球果、オニシバリとツルシキミの赤い実など、懐かしい植物の面々。標高1530m地点でアズマヒキガエルを見る。赤っぽい個体だ。コケ類から出ているイワセントウソウ。

天気なのか時期なのか、その両方か、あるいは別の理由なのか、鳥の声が少ない。ブナ林でクロジのような声を聞くも、遠すぎた。「富士山のクロジ」を思い出す。メボソムシクイのさえずりは、八ヶ岳や南アルプスとは違う拍子のやつだ。

シカシラミバエ類が飛んで来る。植生はニホンジカの強い摂食圧を受けていた。富士山やその周辺で生き物を見るようになって15年以上になるが、当時から少なからずニホンジカの影響はあった。だからどこかで、ニホンジカの分布していない山地帯の林床を見てみたいと思う。「以前の富士山」の植生は、このままでは戻りそうにない。変わってしまったのは、植生だけではないけれど。