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遠くのこと

2020年1月9日

小寒を過ぎたのに、雨が降った。年末からマツ属と氷期のことに思いを巡らせている。あの雪の積もっているところが、高山帯だ。あまり傾斜のきつくない場所には、おそらくハイマツが生えていることだろう。凍結融解、低温処理、休眠打破、多雪適応。楽しさのなかにいて、そこだけを伝えていると、楽しいところまでの道のりをすべて省略しているわけだから、道々であった重要な発見を共有できないし、その上に積まれた愉しさが伝わりにくいのは当然のこと。

見えすぎるのは退屈だ。わかりにくいぐらいがちょうど良い。イワツバメを見ながら、「イワツバメが見たい」と思うように。渓流釣りの帰りに、出掛けよりも釣りに行きたい気持ちをかかえているように。