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着想の瞬間

2012年10月9日

富士山北麓の亜高山帯で鳥類の調査。晴れ、気温6度。風は弱いけれど寒い。山頂付近は雪がうっすらと積もっている。さすがにもう、メボソムシクイはさえずっていない。今回も亜高山帯上部にカケスとシジュウカラが出現。カケスがサシバの鳴き真似をする。マヒワとアトリを確認。アマツバメも飛んでいて変な感じ。

O林道ではきょうもマミジロ(F・1W)がいた。先週もいた個体だろうか。調査中に、別の調査の着想を得ることはよくある。と同時に、すぐに(無理だから)やめようと思うこともけっこうある。歩きながら、思考を巡らず楽しさ。思いつきは消え、また思いつく。そこで残ったものは、たぶん形(論文)になってくるのだろう。事実を着実に積み重ねる。取りこぼさずに拾う。広く、淡々と。忘れないように、手放さないために書き留める日記。
ミヤマハンノキが緑の葉を落としている。カラマツの紅葉まであと少し。亜高山帯には里より一足も二足も先に本格的な秋が訪れる。

ずっと追い掛けている種の生活史が垣間見える瞬間はゾクゾクする。群れ生活者の習性。彼らが大切にしているもの。データから浮かびあがるものもあるけど、行動からそれとわかることもある。よくわからなかった行動の意味が、その種の個体群を維持できるわけ、その機構に関係しているらしいとぼんやりと見えてくると、さらに引き込まれますね。

 

カヤクグリ