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靴底で削られていない岩

2020年11月8日

北西側のピークから対岸の斜面を眺めていたら、亜高山帯に小さなゴーロが見えた。地形図で確認すると、標高は2200mほど。地形の状況から、ハイマツが生えているかもしれない。早速、確認に行く(国有林への入林許可は取得済み)。

登山道を歩いていると、カラマツの葉が降ってくる。林床にヒメツチハンミョウがいた。通い慣れた道なので、標高差430m、距離2.3kmを約1時間で消化。イスカがよく飛んでいたけれど、この時期だからなのか。標高1997mでホシガラスとカケスの声を聞いた。2150m地点にルリビタキがいて、ぐぜっている。

林を抜けると、目的地に着いた。オツネントンボと思われるトンボがいたが、山麓から吹き上げられてきたのか。ゴーロは土壌がほとんどなく、ダケカンバなどは生育していない。西南西からの風が強いためか、低木や中低木しかない。樹形は旗型を呈している。中低木はゴヨウマツとチョウセンゴヨウ、コメツガが生えているだけ。2169mでハイマツを見つけた。来年熟す球果もついていて、繁殖していることがわかった。ハイマツの分布や生育特性についての知見が得られた。ここは雪がほとんど積もらないだろうから、風で飛ばされてきたものによる幹や枝の損傷はまぬがれないはずだ。そこにハイマツがあることの意味を考える。Strobus亜属と、それに関わる系の探求。