2012年10月22日
Tくんと乙女高原に行く。晴れ。琴川ダムを目指して林道を進む。カラマツ、ミズナラ、ダケカンバの紅葉が見頃のようだ。ヤマブドウの赤い葉が美事。カエデ類も色づいている。小さな沢の流れにひき込まれそう。
草原は肌寒く、ひとけがなく、風だけが吹いている。ススキのなかを歩く。冬を思わせる空気。紅葉した落葉広葉樹の葉がカサカサと音を立てながら落ちてきた。大型ツグミ類の吐き捨てるような地鳴き。誰かわからないし。時折、カケスの声が聞こえる。貯食の仕事中だろう。思い出したようにヒガラがカラマツの頂部で騒ぐ。
花はリンドウとヤマラッキョウ、ノコンギクしか見つからなかった。数年前にここで、草原を維持することの意味を話し合ったことを歩きながら思い返す。日だまりのホオジロの地鳴きが暖かい。
乙女高原に向かう途中、林道を行き過ぎて大弛峠に近づいていた。気づいて引き返したのだけど、そのとき金峰山が見えた。あの稜線を歩いてみたい。つぎの大きな目標が決まった瞬間だった。いつでも、内なる声に反応できる状態でいたい。僕は登山が趣味じゃないのだけど、趣味と呼べるものはないと思うのだけど、そこに行ってみたいと強く感じることを実行に移すのは、自分を知る手掛かりになり得る気がするのです。
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乙女高原の草原