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キジの食べたもの

2012年12月1日

東京都福生市、NPO法人自然環境アカデミーでキジ(メス)の部分標本を作製。先月持ち込まれた死体で、本剥製にできるくらい状態のいい個体だった。骨は骨格用に水につける。胸肉とささみの位置を確認。胸筋は体重の約25%。キジバトよりちょっと少ない。翼の肉も思いのほか多くない。

一通り作業が終わってから、そのうと砂のうの中身を取り出す。そのうからは、むかごが7個とピラカンサの実が4個出てきた(果皮が黄色っぽいから、タチバナモドキ?)。砂のうは小石が少なく、ジュズダマの実が15個。この内、2個は少し形が崩れていた。あの堅い実をよくもまあ。

キジが何を食べているか、直接観察から確認できる機会は少ない。僕は鳥がどんな実を食べているのかを記録することをライフワークにしているので、こうした“内側”からの情報も大切だ。昨年、キジのオス(冬に拾得された個体)を解剖したときは、そのうと砂のうからイネ科のものと思われる葉がたくさん出てきた。1例だけど、キジが葉を食べることを知った。

野外観察と解剖の知見の蓄積。出てきたものから、食事の場面が垣間見える。どこにどんな植物が生えているのかを把握できていれば、“その様子”を想像することは難しくない。

 

キジ(メス)のそのう(上)と砂のうから出てきたもの