2012年12月17日
雨だけど、山梨県大月市の岩殿山に登る。この山は大月市に住んでいた10年くらい前はよく通っていた。鳥を見るために。岩殿山ではイワヒバリとキクイタダキを初めて観察したので、それが強く印象に残っている。図鑑でしか見たことのない鳥に出会ったときの嬉しさ。
懐かしい登り坂を、傘をさして上がる。大月の街が眼下に広がる。記憶にあった風景をたぐる。霧に見え隠れする街並み。短大や、住んでいたアパートを確認しながら進んでいるとヤブからカヤクグリが飛び出して来た。山頂までは30分ほど。今回は稚児落としを廻って帰ることに。林内でトラツグミを見た。ネズの実がなっている。
岩殿山では、ところどころ照葉樹が生えている(アラカシが多い)。とくに、落葉広葉樹が葉を落としたこの時期はよく目立つ。岩場にあるものは、潜在自然植生と考えてもいいだろう。隣の都留市では照葉樹はほとんど見ない。人間にとっては大月市も都留市もそれほど気候が違っているようには思えないけど、植物にとってこの差は大きいのかもしれない。集落が近づくと竹ヤブからイノシシが出て来て、目の前を走り去った。
商店街を歩くと、当時のことを思い返す。たぶん、いろんなものに対する考えかたはここで作られた。原風景とイメージ。自分の変わったところと、そうでないところを比較する。あのころ、何を考えて生きていたか。当時の日記を見るとわかるかもしれない。いまみたいに忙しくなかったし、自転車で近場に鳥を見に行っていたな。それが“世界”だった。
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山頂に向かう道