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ムクドリのねぐら

2013年2月23日

夕方、ねぐらに向かうムクドリの群れを自転車で追い掛ける。電線に止まった50羽以上の一群は、水浴びの後のようだ。フン爆弾をかわしつつ、周辺が見渡せる場所に行く。地上に降りて採食しているものも。この後、どこに行くのだろう。数羽が西北西に飛び立った。それを見失わないように、かつ惑わされないように慎重に追う。茶畑にタヒバリが何羽か降りた。ここがタヒバリのねぐらか。住宅地では住民に怪しまれないようにムクドリの行動をチェック。時折、双眼鏡で群れを見ながら、白いやつが入っていないか確認する。

ムクドリの集団は騒がしい。なのに、その下を歩いている人のなかにはムクドリに気づいていない人もいる。いくつもの群れが多摩川を渡った。急いでそちらに自転車を走らせる。風が冷たく、日没も近い。ここから長距離を移動するとは思えないけど気が抜けない。ムクドリが腹を向けている方向に飛び立つと思われるので、その先で待ち伏せ。17:40、大群が河川敷上で旋回を始めた。近くを飛んだときの羽音が良いな。群れが合流してさらに大きくなり、それがまた分裂するといったことが繰り返される。そして、ムクドリは篠竹のヤブのなかに吸い込まれていった。彼らはここで寝ているのだ。

今回はねぐら前集合の場所と、ねぐらまでの距離が短かったから簡単に突き止められた。ねぐらに向かうムクドリ。それを追いたいのは、どこで寝ているのかを突き止めたいから。なぜか? ねぐら前集合を見てしまったから、いま自分が住んでいる場所のムクドリの行動を把握しておきたいから、身の廻りの鳥の動きが気になるから。これは、スズメやハクセキレイでも同じこと。

鳥にとってねぐらは、営巣地と同じくらい大切な場所。彼らが大切にしているものが何であるかを知るのは、感覚としてその鳥に近づくことでもある。つまり、ムクドリの目線で電線を、畑を、篠竹のヤブを見ることになる。いろんな鳥の目線でこの世界を見てみたい。

 

ねぐら入り前のムクドリの群れ